
倉岡亨一
日産デザイン責任者
年表
- 2012
競合車に近い形を、顔で描き分ける
パッケージングを大きく改善してもらった結果、新型のプロポーションは競合車にかなり近くなった。シルエットが似ているからこそ、倉岡はデザインでは違うものを表現したいと考えた。フロントには縦の2本の柱が特徴の「Angled Strut」グリルとシャープなヘッドランプを組み合わせ、一目でNV350キャラバンと分かる顔にした。前面の平面の曲線は大きく丸め、競合車より50ミリほど後退させた。側面ではエンジニアと協力してルーフサイドのドリップチャンネルを無くしてもらい、窓ガラスを面一にして、ノイズになる線を極力減らした。
1日の大半を過ごす運転席のために
商用車の運転手は1日の大半を運転席で過ごすので、倉岡は普通の乗用車以上に運転席の快適さが大切だと考えた。4ナンバー枠の限られた寸法の中で内装を広く見せるため、NV200と同じ手法でインパネを上下に分け、上を黒、下を明るいグレーにして横方向の広がりを表した。肘や膝に近い部分は丸く柔らかい形にし、樹脂部品に厚みを持たせ、シートには織物を使って、長く使える耐久性を形から感じてもらえるようにした。
日産
プロフィール
日産のプロダクトチーフデザイナー(PCD)。2012年発売の「NV350キャラバン」(5代目キャラバン)のデザイン責任者を務めた。